踊り場って何?:リフォーム用語集
「踊り場」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?読んで字のごとく、「踊りを踊る場所」と答える人だってきっと少なくないはずです。しかしよく調べてみると、この踊り場とは階段の途中にある広いスペースのことを指しているのだそうです。何だか想像とはまったく違う答えでした。ではこの踊り場とは何のために設けられたスペースなのでしょうか。考えれば考えるほど謎が深まります。これからその謎について探っていきたいと思います。
踊り場の名前の由来って?
踊り場の名前の由来には諸説あるそうです。その中でも代表的なものを1つお話すると、明治時代の日本では舞踏会などが数多く催されていました。このような社交の場で、美しい西洋のドレスに身を包んだ貴婦人たちが、西洋建築の建物の階段を昇り降りしたり、階段の途中で方向転換したりする際に、ドレスがふんわりと揺れ動く様がまるで踊りを踊っているかのように見えたそうです。このことから、階段の途中にあるスペースを踊り場と言い始めたのが始まりだと言われています。
踊り場っていつからあるの?
そもそも踊り場っていつの時代から存在しているのでしょうか。その答えは、やはり明治時代にあるようです。もともと江戸時代の日本家屋にも階段はありました。しかし踊り場のような広いスペースはなく、まっすぐな階段や梯子のような階段がほとんどだったそうです。その上、「庶民は三階建て以上にしてはいけない」というお触れまでありました。そのため江戸の日本家屋には長い階段は必要なく、踊り場のようなスペースも造る必要がありませんでした。それならどうして明治時代になってから踊り場ができたのでしょうか。実は明治時代になると、日本は江戸時代の長い鎖国政策が終わりを告げ、西洋の文化がどんどん入ってくる時代を迎えました。これを「文明開化」といいますが、これにより日本国内でも西洋建築による高い建物が数多く建てられるようになりました。階段も長い螺旋階段が増え、途中でゆったりとしたスペースを設けておかないと転落する危険性が高いことや、小休止するためのスペースとして踊り場の存在が必要となったのです。
踊り場のメリット
踊り場があることによって、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。それはやはり安全性が高いことです。例えば階段を昇っている最中にうっかり足を踏み外し、下まで真っ逆さまに落ちてしまったとしたらどうなるでしょう。間違いなく大怪我です。場合によっては命も落としかねません。しかし踊り場があればそこでいったん止めることができ、体への衝撃も幾分和らげることができます。また疲れた時には踊り場で小休止することもできます。踊り場のない階段と比べても、小さなお子様から高齢者の方まで安心して昇り降りができるのではないでしょうか。これはとても大きなメリットであると言えます。
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