自己流で浴槽近くにテレビ取り付け工事をするのは危険?
浴槽にゆっくりと浸かりながらテレビを見たいという方も多いのではないでしょうか?しかし一般的に浴室の基本設備にテレビは含まれていないため、設置を希望するのであれば後から専用のテレビや部品を取り寄せなければなりません。また、複雑で難しい取り付け工事も必要です。以下に、浴室にテレビを設置する際の具体的な工事方法とセルフ工事の危険性についてまとめました。
テレビ設置が可能な浴室の条件とは?
浴槽近くにテレビを取り付けたい場合には、前もって工事に適した環境かどうか確認しておくことが必要になります。そもそも浴室でテレビを見るためには、電気用と地デジデータ用の二種類のケーブルを配線しなければなりません。つまり、これらのケーブルを通せる環境でなければ浴室へのテレビ設置が難しくなるのです。配線工事をスムーズに進めるための条件として、ユニットバスであるということと天井に専用のケーブルを通すための点検口があることが挙げられます。天井に点検口がない場合でも設置できないことはないのですが、このケースだと壁にケーブルを通すことになるため大規模な工事となります。配線が不可能な場合や十分な工事費用が用意できない場合には、工事不要で使用することができるポータブルテレビを利用するという方法もあります。ただし、電波状況によっては鮮明に映らないことも考えられるため高画質で見たい方には不向きです。
テレビの設置方法
浴室にはリビングのようにテレビ台を設置するスペースがないため、基本的には壁に取り付けることになります。薄型テレビが主流となったこともあり、こういった設置方法が可能となりました。壁への設置は大きく分けて二種類の方法があるので、浴室の形状やデザインに応じて選んで下さい。具体的には、壁掛け式と埋め込み式の二種類です。ポータブルタイプも入れると三種類になりますが、これは工事が不要なので今回は除外します。いずれのテレビも浴室で使用する目的で設計されているため、防水加工などの特別な設計が施されています。壁掛け式については、本体に付属している壁掛けキットを使用して取付工事を行います。説明書通りに進めればセルフ工事でも問題なく設置できますが、湿気が多い特殊な環境なので固定したはずのビスが外れてテレビが落下することが予想されます。特に、揺れが壁にダイレクトに伝わる地震の時などは注意が必要です。落下によって高額なテレビが故障してしまうことにもなりかねないため、設置の際には入念に作業をして下さい。当店に依頼してもらえれば、部品の脱落や破損を予防するためにより丁寧な工事を行います。要望に応じて、付属の壁掛けキットに加えて独自の工事も施すので安心です。テレビの設置に際してワンランク上の安定感と美観を求めるのであれば、埋め込み式を選んで下さい。浴室の壁の中にテレビ本体を埋め込むので、落下の心配がありません。埋め込み式の場合は電源やアンテナの配線を建物本体の分配器としっかり接続するため、使用中に映像や音が乱れにくいというメリットもあります。ただしこの設置方法を選んだ場合、テレビの故障などで交換が必要になった時に埋め込み用の穴の大きさに合わせて新しいテレビを購入する必要があります。後からテレビのサイズを変えることができないため、熟考して選ぶようにしましょう。
配線工事の内容について
テレビ設置のための条件をクリアした浴室であっても、浴室天井裏に地デジ対応アンテナ分配器がなければ大掛かりな配線工事が必要になります。天井裏に入って分配器がある位置までケーブルを延長しなければならず、家の構造によっては難易度がかなり高くなってしまうのです。これは、素人のセルフ工事ではカバーできない領域と言えます。費用についても状況によって変わってくるため、事前に見積りなどで確認しておいて下さい。その他、浴室の近くにテレビを設置している部屋があれば分配器を利用せずにケーブルを分岐させて繋ぐという方法もあります。天井の点検口を経由する工事よりも比較的簡単にできることから、こちらの方法を選択する人も増えています。具体的には、地デジを受信しているテレビのF型プラグを分岐させて浴室まで引っ張って繋げるという方法です。浴室とテレビを設置している部屋が遠ければ遠いほどケーブルが長くなり、場合によっては壁に穴を開けるなどして通さなければなりません。その分、費用と期間がかかるということを覚えておいて下さい。どうしても壁に穴を開けるのが嫌という方には、防水カバーで保護しながら天井や壁を這わせて設置するという方法もあります。いずれにしても、ドアの部分には穴を開けることになります。工事をできるだけ簡単にしたいという場合には、発想の転換でケーブルに頼らずWi-Fiなどの無線を選択してみるというのはいかがでしょうか?これは、浴室近くに設置したテレビに送信機を取り付けてそこからWi-Fiで地デジデータを送信するという方法です。しかし、いずれにしても電源は確保しなければならないため配電工事は必要になります。この場合も、前述の通り天井から電源を引き込む工事を行うことになります。地デジのケーブル工事が不要になる分費用も時間もかからないため、早急に工事を終わらせたいという方におすすめです。ただし、電波には壁や天井などの障害物に当たって反射する性質があります。つまり、Wi-Fiを設置したとしても壁の数や角度によっては地デジデータが上手く受信できないのです。Wi-Fi設置後に肝心のデータが届かないケースも報告されているため、これに該当してしまう可能性も考えてアンテナの増設工事の計画も立てておきましょう。浴室にテレビを取り付ける工事には様々な方法があるので、自分にぴったりのものを選んで下さい。
なぜセルフ工事が危険なのか
それではなぜ、浴室のテレビ取り付け工事が素人には難しいのでしょうか?難易度の高い工事は別として、簡単な内容であれば工夫次第でDIYの範囲内でできなくはないはずです。しかし、浴室の工事に関しては問題はそこではありません。まず、電気工事自体が資格がなければ従事できない決まりとなっています。電気の配線はとても複雑なため、状況によっては工事の途中で感電する可能性があるのです。また、一見上手に配線できたとしてもどこかに不備があるせいで漏電することも考えられます。漏電すれば入浴中に感電する事故や火災などの最悪の事態にも繋がるため、そういったことにならないように完璧に工事をしなければなりません。最近では、自分で簡単に浴室にテレビが設置できるという専用のDIYキットも見かけるようになりました。安価で工事費用がかからないことから人気を集めていますが、安全性が確認されていないため業者としてはおすすめできません。セルフ工事で節約しても、感電事故や火災が起きては意味がないのです。浴室は、他の部屋とは性質が異なります。入浴中はもちろんのこと、それ以外の時も常に湿度が高く水分が充満しているのです。水分が多いということは電気工事をする上でリスクが伴います。知識と経験が豊富なプロであっても細心の注意を払って工事を行っているほど繊細な作業なので、素人に任せることはできないのです。中途半端な工事は命取りとなるため、浴室にテレビを設置したくなったら是非当店に連絡して下さい。浴室や家の構造を見ながら、ベストな工事方法を提案します。予算が限られている場合にはその範囲内でできるように計画を立てることも可能なので心配いりません。
次の記事へ
お風呂の換気扇を交換するタイミングはいつ?ポイントを解説 »