時代の移り変わりと共に自宅を自分の使いやすいように作り変えるリフォームを行なう人が増加傾向にあります。こういったリフォームは機能性はもちろん、安全面についてもしっかりと考慮しなくてはいけません。そこで今回は、マンションのキッチンをリフォームする上で抑えておくべきポイントについてご紹介します。

キッチンでの作業をイメージして設計を行う

キッチンをリフォームする上で最も重要とされるポイントの一つに導線設計があります。導線設計とは電気の通り道を意味する導線を例として挙げた言葉で、スタートからゴールに至るまでの道筋を決める作業です。ここで言うスタートとゴールはキッチンの使い始めと終わりで、負担や不便を感じずにスムーズに行動できるようにイメージして行くことが重要になります。

リフォームをする人の中にはデザインに重きを置く人も少なくありませんが、どんなに素晴らしいデザインであっても使い勝手が悪くては意味がありません。キッチンは料理を含め毎日足を運ぶ場所である以上、いかにストレスをなくして快適に利用できるかを考慮することが大切です。

余裕のある収納とゴミスペースの確保

快適な生活を送る上で必要不可欠とも言っても過言ではないのが収納のスペースです。収納スペースは文字通り不要な物をしまう場所で、たくさんあればそれだけ片付けも簡単にできて見た目の美しさも実現できます。これは調理器具から電化製品に至るまで必要な物が多いキッチンにおいても同様です。中には片付けるスペースがないという理由から、つい乱雑に置きっぱなしにしてしまうケースは少なくありません。

清潔感のあるキッチンを作り上げるためにも、十分な収納の確保や必要に応じてパントリーの作ることを考慮することが重要になります。

収納と共に忘れてはいけないのがゴミを置くスペースです。生活ゴミは人の暮らしにおいて避けることはできない問題で、キッチン周りは飲食物や料理で使わない野菜クズなど家の中でも特にゴミが出やすい場所と言えます。導線設計を完璧に行っても移動スペースにゴミが置いてある状態では結果的に使い勝手が悪くなってしまうのは否めません。リフォームで比較的見落としがちになるゴミ置き場もしっかりと考慮することが必要です。

電化製品を無理のない状態で使うためのコンセントの配置

前述したようにキッチンでは料理をする時に炊飯器を始め複数の電化製品を一度に使用するケースも多く、こういった場合に気をつけなくてはいけないのが安全に配慮した電源の確保です。自宅で家電を使う場合に当たり前のように使用しているこのコンセントにそれぞれに使用可能な容量が設定されています。

この決められた用量をオーバーする形で使い続けているとブレーカーが落ちたり火災を引き起こす原因となってしまうこともあるので注意が必要です。

こういった問題を防ぐためにも、キッチンをリフォームする時は使用する電化製品の置き場をイメージして余裕を持って使えるだけのコンセントを設置しなくてはいけません。

遣う人の身体のサイズに合わせた設計を心掛ける

キッチンのリフォームで見落としがちになるポイントの一つが高低差です。マンションにおけるキッチンスペースは広さから天井の高さに至るまで物件によってそれぞれ異なります。リフォームをする人の中にはスペースを少しでも無駄なく使いたいという思いから天井ギリギリまでの収納スペースを作ってしまう人も多いのが実情です。しかし、自身の身長以上の高さとなれば必然的に手を伸ばしたり踏み台の使用を余儀なくされてしまいます。

もしこういった場所に頻繁に出し入れする物が置かれていると、その都度台の準備をする手間が発生して不便に感じてしまうのは否めません。低い位置の収納についても同様で、日常的に屈む動作を繰り返していると足腰に負担が掛かってしまうこともあります。キッチンの導線設計を行う場合には使う人の体の大きさを考えて横の動きだけでなくこうした縦の動きについても考えることが重要です。