リフォームの世界でよく使われる用語「ビルトイン」とは何か
リフォームを機に、家具や家電などが所狭しとおかれた室内をスッキリさせたい、このようなニーズに応える手段としてしばしば導入されるのが「造り付け」と呼ばれることもあるビルトインという手法です。ここでは、ビルトインの概要とその具体例について。キッチン関連の設備を中心に説明していきます。また、その課題についても紹介しています。
住宅と設備を一体化
ビルトインとは、家具や家電、各種設備などが住宅に組み込まれ、一体化したような形で設置されることをいいます。分かりやすい例としては、エアコンが挙げられます。通常のエアコンであればすでに出来上がっている住宅において金具などを用いて壁に取り付けますが、ビルトインエアコンの場合は壁や天井などの内部に本体が組み込まれ、室内に向かって空気の吹き出し口だけが覗いているというスタイルが一般的です。その他の例としては壁や天井などにスピーカーが埋め込まれているビルトインオーディオ、衣服を収納するスペースがそのまま壁面を構成しているビルトインクローゼットなどがあります。
システムキッチンに組み込むのが人気
さまざまなバリエーションがあるこのビルトインですが、リフォームの分野で耳にする機会が多いのはキッチンのリフォームに関連した場合です。システムキッチンを新たに導入したり、最新の設備に更新したりする際に、各種設備をビルトインタイプにする工事はキッチンリフォームの中でも人気があります。その代表例が、ビルトインコンロです。ビルトインコンロは、ガスコンロがシステムキッチンのキャビネットに組み込まれた形で設置されます。そのため据え置き型のガステーブルを設置するスペースが不要になり、ガス管もキャビネットの中に隠れるため見た目がスッキリします。最近ではビルトインのIHクッキングヒーターも普及しています。
スペースを広く使えるようになる
コンロ以外のキッチン設備としては、食器洗浄乾燥機や電子レンジなどにもビルトインタイプがあります。いずれも通常の製品であればシンク横の空いたスペースや専用台などの上に据え置いて使用しますが、ビルトインタイプであれば足元のキャビネットに組み込まれるのが一般的です。キッチンの壁面を全面リフォームして、そこに組み込むといったことも可能です。いずれにしても、キッチン内における「出っ張り」をなくし、スペースを有効活用したり広く見せたりするのに役立ちます。
修理や交換が面倒な場合も
ビルトインの設備をキッチンに取り入れることは住宅の機能性を高めますが、長期的な視点で見ると課題もあります。それは、修理や交換に手間がかかることです。据え置き型の設備であれば簡単に取り外すことができますが、ビルトインタイプの場合はシステムキッチンから分離するのに工事が必要で、さらにガス管の取り外しや接続などの作業は専門の資格を持った者でなければ行うことができません。自ら行おうとするのであれば、業界団体が実施する講習を受け、修了試験に合格する必要があります。
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